市川市で暮らす、パパ(父)と、おっか(母)と、ごはちゃん(猫)と、私(武井怜)の日常の、漫画と文章です。
ちょっと気になる「ご近所さんの生活」を、我が家のでよかったら、見てもらえたら嬉しいなと思います。
【第38話】
『ウシガエルの、おたまじゃくしの話』
6月の話です。スーパーマーケットに行く道の途中にある、「名もなき水場」の、前に亀がいた場所を、おっかと見ていました。亀は、甲羅の色が、名もなき水場の水の色に似ているからか、いるのかいないのか、わかりにくくて、私は、亀が、いるような、いないような…と、見ていました。そうしたら、おっかが、
ねぇ、あれ、ごみ?
と、私に聞いてきました。私は、おっかは、何のことを言っているんだろうな、と思いながら、名もなき水場の水の中を、よくのぞいてみると、黒くて、ししゃも2匹分くらいの大きさの何かが、たくさん見えました。私は最初、魚の群れだ!と思いました。だけど、それは、よく見たら、おたまじゃくしでした。おたまじゃくしは、水の中で、じっとして動かない子もいれば、動いている子もいました。おたまじゃくしは、そこに、何十匹もいました。そして、大きさについて、さっきも書きましたが、おたまじゃくしだとわかると、とてもとても、大きいなと思いました。手の上に、ちょうど乗るような、カードのサイズ、よりも、少し大きいくらいだと思います。さっき書いた、ししゃも2匹分よりは、小さいかなと思います。不思議です。
名もなき水場では、私がこどもの頃から、ぐおお…ぐおお…と、鳴き声が聞こえています。それはたぶん、ウシガエルの鳴き声です。だから、おっかと私が見たおたまじゃくしは、ウシガエルの赤ちゃんなのだと思います。大きなおたまじゃくしがたくさんいて、おっかは、気持ち悪っ!と笑っていました。私は、かわいいな、と思いました。私は、あのおたまじゃくしは、いつ頃から、ぐおお…ぐおお…と鳴くようになるのかな、と思いました。おたまじゃくしの姿で、ぐおお…ぐおお…と鳴き始めるのだとしたら、最初は慣れないから、ぐおお…ぐおお…と鳴けなくて、ぐぐお…ぐぐお…と、「ぐぐお」を呼んでいるような鳴き方になったりするのかな、と思います。
最近、おたまじゃくしを見かけなくなりました。おっかと私は、ウシガエルになったんだね、と話しています。名もなき水場からは、ぐおお…ぐおお…と聞こえてきます。
<ご近所さんの生活>エッセイ漫画
ほかのお話はこちら
武井 怜
1988年生まれ。現在、両親と猫と千葉県市川市在住。動物、お笑い、海外のコメディ、甘いもの、お相撲などが好き。コミックエッセイ『気にしすぎガール~この世のあらゆる物事に気を遣いすぎる女の日常~』(KADOKAWA)発売中。