市川市で暮らす、パパ(父)と、おっか(母)と、ごはちゃん(猫)と、私(武井怜)の日常の、漫画と文章です。
ちょっと気になる「ご近所さんの生活」を、我が家のでよかったら、見てもらえたら嬉しいなと思います。
第24話『猫用おかかと走り去る話』
ごはちゃんは、猫用おかかが大好きです。 ごはちゃんは、毎日、薬を飲んでいます。我が家では、ごはちゃんに、その薬を飲んだごほうびに、薬のあとに、猫用おかかをあげます。ごはちゃんは、薬を飲む朝と夜は、薬を飲む前から、「おかか、おかか」と、ごはちゃんの薬とおかか係の、私の足元に寄ってきたりして、騒ぎたてます。
この前の朝も、私は、ごはちゃんに薬をあげたあと、ごはちゃんが、今すぐ食べたくてたまらない猫用おかかを、両手にのせていました。いつもなら私は、そのまま、ごはちゃんに、猫用おかかをさし出します。そして、ごはちゃんは、猫用おかかを、すごい勢いで、むしゃむしゃと食べます。だけどその日、私は冗談で、猫用おかかを両手にのせたまま、ごはちゃんの前を走り去って、廊下まで行ってみました。そのとき家にいたのは、私と、おっかと、ごはちゃんでした。私の、その冗談に笑ったのは、私と、おっかだけでした。私は、ごはちゃんは、走って廊下まで追いかけてくるかなと思いました。だけど、ごはちゃんは、その場で、廊下にいる私を、「え?」というふうに見ていて、そのあと、こちらに向かって歩いてきました。私は、ごはちゃんに、走って来られるよりも、歩いて向かって来られる方が、なんだかこわいなと思いました。
私も部屋の方に戻って、ごはちゃんと落ち合ったところで、ごはちゃんに、猫用おかかをさし出しました。ごはちゃんは、猫用おかかを食べ始めました。そのとき私は、ごはちゃんに、右手の人さし指を、血が出るほど噛まれました。 私は毎日、手から直接、ごはちゃんに、猫用おかかをあげているのですが、そういえば、ごはちゃんに、猫用おかか中に噛まれたのは、このときが初めてでした。このとき、ごはちゃんが噛んだのは、私が、猫用おかかと走り去る冗談なんかしたから、猫用おかかに待ちくたびれたごはちゃんは、わざとじゃなく、猫用おかかを、むさぼるように食べていたら、うっかり噛んでしまったのか、私が猫用おかかと走り去る冗談なんかしたから、ごはちゃんは、笑えない冗談だなと怒って、わざと噛んだのか、私は、どっちかわかりません。どちらにしても、私は、猫用おかかを使った冗談は、ごはちゃんにしない方が、指のためなんだなと思います。
<ご近所さんの生活>エッセイ漫画
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武井 怜
1988年生まれ。現在、両親と猫と千葉県市川市在住。動物、お笑い、海外のコメディ、甘いもの、お相撲などが好き。コミックエッセイ『気にしすぎガール~この世のあらゆる物事に気を遣いすぎる女の日常~』(KADOKAWA)発売中。