市川市で暮らす、パパ(父)と、おっか(母)と、ごはちゃん(猫)と、私(武井怜)の日常の、漫画と文章です。
ちょっと気になる「ご近所さんの生活」を、我が家のでよかったら、見てもらえたら嬉しいなと思います。
【第35話】
『お風呂と、あめ玉の話』
私は、ものすごく面倒くさがり屋です。だから、お風呂に入ることを、面倒くさいなと思います。だけど、最近、お風呂に入るときに、あめ玉をなめるようにしていて、そうすると、ほんの少しだけ、お風呂が楽しくなるような、ならないような感じがします。
あめ玉は、お風呂に入っている間、ずっとなめていられるくらい、長持ちする、大きいのがいいなと思います。今、よくなめているあめ玉は、大きくて、まんまるいです。私は、それの、最初のひと粒をなめたときは、冷たくないけれど、かき氷みたいなあめ玉だなと思いました。たしか、そのあめ玉は、赤いやつ、オレンジ色のやつ、青いやつ、黄色のやつ、紫色のやつ、緑色のやつが入っています。私は、青いやつをなめたときに、駄菓子屋さんを思い出して、なつかしくて、とても心地良くなりました。だけど、青いやつをなめたときは、お風呂に入っているときではありません。お風呂に入るときに、そのあめ玉の、赤いやつをなめたら、おいしくて、お風呂に入っていないときにも、そのあめ玉をなめたくなって、青いやつを選んでなめたら、駄菓子屋さんの、なつかしい感じがして、心地よくなりました。だから私は、このあめ玉のなかで、青いやつが一番好きです。だけど、他の色のやつは、お風呂に入っているときになめていて、お風呂に入っているときになめるあめ玉は、シャワーのお湯で薄まったりして、あまり味がしません。だから、お風呂に入っていないときになめた、青いあめ玉だけが、駄菓子屋さんを思い出させる心地よさを出しただけで、他の色のあめ玉も、お風呂に入っていないときになめたら、みんな、同じくらい心地よくさせてくれるのかもしれないな、と今思いました。
私は、「あめ玉を、お風呂に入りながらなめているけれど、シャワーのお湯に薄まって、あまり味がしないんだよ」という、漫画のとおりの文章を書こうと思っていました。だけど、予想していなかった新発見みたいなのをしたから、あめ玉が、シャワーの味で薄まってしまう話も、薄まってしまいました。
<ご近所さんの生活>エッセイ漫画
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武井 怜
1988年生まれ。現在、両親と猫と千葉県市川市在住。動物、お笑い、海外のコメディ、甘いもの、お相撲などが好き。コミックエッセイ『気にしすぎガール~この世のあらゆる物事に気を遣いすぎる女の日常~』(KADOKAWA)発売中。