公開日: 2025年7月7日

<ご近所さんの生活 第35話 武井 怜>エッセイ漫画 【毎週更新】

baychibainfo
  • シェア
  • twitter

市川市で暮らす、パパ(父)と、おっか(母)と、ごはちゃん(猫)と、私(武井怜)の日常の、漫画と文章です。
ちょっと気になる「ご近所さんの生活」を、我が家のでよかったら、見てもらえたら嬉しいなと思います。

【第35話】
『お風呂と、あめ玉の話』

私は、ものすごく面倒くさがり屋です。だから、お風呂に入ることを、面倒くさいなと思います。だけど、最近、お風呂に入るときに、あめ玉をなめるようにしていて、そうすると、ほんの少しだけ、お風呂が楽しくなるような、ならないような感じがします。

あめ玉は、お風呂に入っている間、ずっとなめていられるくらい、長持ちする、大きいのがいいなと思います。今、よくなめているあめ玉は、大きくて、まんまるいです。私は、それの、最初のひと粒をなめたときは、冷たくないけれど、かき氷みたいなあめ玉だなと思いました。たしか、そのあめ玉は、赤いやつ、オレンジ色のやつ、青いやつ、黄色のやつ、紫色のやつ、緑色のやつが入っています。私は、青いやつをなめたときに、駄菓子屋さんを思い出して、なつかしくて、とても心地良くなりました。だけど、青いやつをなめたときは、お風呂に入っているときではありません。お風呂に入るときに、そのあめ玉の、赤いやつをなめたら、おいしくて、お風呂に入っていないときにも、そのあめ玉をなめたくなって、青いやつを選んでなめたら、駄菓子屋さんの、なつかしい感じがして、心地よくなりました。だから私は、このあめ玉のなかで、青いやつが一番好きです。だけど、他の色のやつは、お風呂に入っているときになめていて、お風呂に入っているときになめるあめ玉は、シャワーのお湯で薄まったりして、あまり味がしません。だから、お風呂に入っていないときになめた、青いあめ玉だけが、駄菓子屋さんを思い出させる心地よさを出しただけで、他の色のあめ玉も、お風呂に入っていないときになめたら、みんな、同じくらい心地よくさせてくれるのかもしれないな、と今思いました。

私は、「あめ玉を、お風呂に入りながらなめているけれど、シャワーのお湯に薄まって、あまり味がしないんだよ」という、漫画のとおりの文章を書こうと思っていました。だけど、予想していなかった新発見みたいなのをしたから、あめ玉が、シャワーの味で薄まってしまう話も、薄まってしまいました。

 

<ご近所さんの生活>エッセイ漫画
ほかのお話はこちら

第1話 第2話 第3話 第4話

第5話 第6話 第7話 第8話

第9話 第10話 第11話 第12話

第13話 第14話 第15話 第16話

第17話 第18話 第19話 第20話

第21話 第22話 第23話 第24話

第25話 第26話 第27話 第28話

第29話 第30話 第31話 第32話

第33話 第34話

 

武井 怜

1988年生まれ。現在、両親と猫と千葉県市川市在住。動物、お笑い、海外のコメディ、甘いもの、お相撲などが好き。コミックエッセイ『気にしすぎガール~この世のあらゆる物事に気を遣いすぎる女の日常~』(KADOKAWA)発売中。

  • シェア
  • twitter

月別アーカイブ