市川市で暮らす、パパ(父)と、おっか(母)と、ごはちゃん(猫)と、私(武井怜)の日常の、漫画と文章です。
ちょっと気になる「ご近所さんの生活」を、我が家のでよかったら、見てもらえたら嬉しいなと思います。
【第32話】
『不機嫌な牛の話』
私は、おっかに、アルパカのイラストが描いてある、Tシャツを買ってもらいました。だから私は、早く、それを着て、近所の動物園の、アルパカに会いに行きたいなと思っていました。それが、この前、叶いました。私は、おっかと、その近所の動物園に行ってきました。
動物園では、いろんなことがありました。前に、名前を呼んだら、こっちに寄ってきてくれたやぎが、亡くなってしまっていたことを知りました。おっかも私も、ものすごく悲しいです。そのやぎが今、幸せでありますようにと願います。
その動物園に、新しく来たやぎにも会えました。この日、私は、アルパカのTシャツを着て、アルパカに会いに行くことが目的だったけれど、本当は、その、新しく来たやぎに会いに行くことが、一番の目的でした。そのやぎは3匹いて、3匹とも子やぎで、早く行かないと、子やぎの時期を見逃してしまうと思ったからです。だから、おっかと、早く行こうね、と言っていました。その子やぎたちのおうちは、牛のおうちのとなりにありました。そこは、たしか、今まで、だれもいなかった場所でした。それで、少し窮屈とか、やかましくとかなったのか、牛が、不機嫌でした。その動物園では、牛を触らせてもらえます。だから、私は、牛のしっぽを触ろうとしました。そうしたら、牛は、しっぽを地面にたたきつけました。だから、私に、牛のおうちの砂が飛んできました。牛は、鼻で、ため息もついていました。私は、牛に怒られたんだな、と思いました。
おっかと私は、別の動物たちを見てまわって、たてがみをみつあみにした、お馬も触らせてもらいました。みつあみは、熱中症対策と、飼育委員のかたが言っていました。それで、おっかと私は、また、子やぎたちのところに戻りました。おっかが、子やぎのうんちが、たくさん落ちてるね、と言いました。そのあと、でっかいうんちがある!と言いました。おっかが言ったところには、本当に、やぎがする大きさではない、でっかいうんちがありました。でっかいうんちは、となりの、牛のおうちとの区切りになっている、柵の下にありました。目線を上げていくと、柵の上にも、でっかいうんちが乗っかっていました。あるはずのないところに、でっかいうんちがあって、私は、最初は、どういうことか、意味がわかりませんでした。だけど、そのうち、でっかいうんちは、となりのおうちの、牛のうんちだということがわかりました。おっかが、牛のおしりの高さを見て、柵の上の位置と合っているから、牛が、でっかいうんちの犯人だと言いました。私も、そう思いました。おっかと私は、牛は、となりに、子やぎたちが引っ越してきたことが気に食わないから、うんちで攻撃したのかな、と話しました。おっかは、あいつ、やりおったな、と言いました。
その日撮った、子やぎの写真が、とてもよく撮れていて、私は、うれしくなりました。だけど、次の日、その写真をよく見たら、牛の、でっかいうんちが写りこんでいました。
<ご近所さんの生活>エッセイ漫画
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武井 怜
1988年生まれ。現在、両親と猫と千葉県市川市在住。動物、お笑い、海外のコメディ、甘いもの、お相撲などが好き。コミックエッセイ『気にしすぎガール~この世のあらゆる物事に気を遣いすぎる女の日常~』(KADOKAWA)発売中。