「若いから、まさか」が受診を遅らせる
第5回「浦安市において若年性認知症をともに考えるシンポジウム」が8月23日(日)、浦安市文化会館で開かれ、市民約80人が参加。杏林大学の柴田展人教授が、病気の特徴や早期受診の大切さ、利用できる支援について講演した。

杏林大学 柴田展人教授
最初に主催のうらやす和楽苑の平井剛苑長が「認知症を考え、理解が広がるきっかけになれば」とあいさつ。そして、内田悦嗣浦安市長が「認知症の方を含め誰もが安心して暮らせる地域づくりを進めたい」と述べた。続いて柴田教授が登壇した。柴田教授は産業医として、働く世代の認知症にも数多く向き合っている。
講演の内容は以下の通り。
若年性認知症とは
若年性認知症は、65歳未満で発症する認知症のこと。
4大認知症のうち、アルツハイマー型、前頭側頭型、レビー小体型は、神経細胞が壊れていく病気。脳血管性認知症は、脳の血管障害が原因で起こる。
アルツハイマー型は若年者でも5割余りと最も多い。前頭側頭型、レビー小体型と合わせると、約70%が神経変性疾患だという。
「若いから、まさか認知症ではないだろうと本人も周囲も考えがちで、その結果、受診が遅れやすい」と柴田教授。
見過ごされやすく、進行も早い、アルツハイマー型認知症
「物忘れ」には、本人だけが気付くSCI(主観的認知障害)の段階がある。さらに進むとMCI(軽度認知障害)となり、自立した生活を送れていても、周囲にも認知機能の低下が分かるようになる。
アルツハイマー型認知症は気付きにくく、若年性の場合は進行が早い傾向がある。初めは、ちょっとした物忘れから始まる。身体に支障がないため、周囲も「うっかりしただけ」と受け止めがちだ。しかし次第に約束自体を忘れるようになり、家族に促されて受診した時には、発症から1、2年たっているケースも多いという。
診断後も、すぐ退職とは限らない、仕事と暮らしを支える制度
若年性認知症は、働き盛りの世代にも起こる。企業側もそのことを知り、本人の状況に応じて対応することが大切だ。
診断されても、必ず退職しなければならないわけではない。仕事と治療の両立支援があり、若年性認知症支援コーディネーターに相談できる。
ほかにも、自立支援医療(精神通院医療)による外来医療費の負担軽減や障害年金、難病に関する制度がある。介護認定を受ければ、65歳未満でも介護保険サービスを利用できる。
9月は世界アルツハイマー月間。早めの気付きと受診、そして周囲の理解が、本人の仕事と暮らしを支える一歩になるだろう。











