公開日: 2026年6月5日

6月4日~10日は「歯と口の健康週間」

いちかわ新聞
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小さな歯ブラシが守る、大きな健康

6月4日(木)から「歯と口の健康週間」が始まった。全国で歯や口内健康に関するさまざまな啓発活動が行われる中、市川市歯科医師会広報担当理事、澤野宗如歯科医師が地域の大人や子どもに向けて「歯を守る大切な習慣、歯磨きの大切さ」を分かりやすく伝える。

むし歯は痛くなる前に治療を

むかしむかし、で始まるほど昔のことではありません。行徳のまちに住む小学生の女の子が、学校の歯科健診のあと、お母さんと一緒に歯医者さんへやってきました。
手には1枚の紙。そこには「むし歯の疑いあり」と書かれていました。女の子は少しふくれた顔で言いました。「痛くないよ。ごはんも食べられるもん」。けれど歯医者さんが奥歯をそっと見てみると、溝の中に小さな小さなむし歯の芽が見つかりました。
そのむし歯は、まだ生まれたばかり。治療も短い時間で終わり、女の子は「これなら怖くなかった」と、ほっとした顔になりました。帰り道、お母さんは言いました。「歯医者さんは、痛くなってから行くところだと思っていました」
実は、むし歯は最初から大きな声で「痛いよ」と教えてくれるわけではありません。静かに、こっそり進みます。気づいたときには大きくなっていて、歯をたくさん削ったり、神経の治療が必要になったりすることもあります。だからこそ、痛くなる前に見つけることが大切なのです。

「お口のきれい」=全身の健康

6月4日から10日は「歯と口の健康週間」です。昔は「虫歯予防デー」として親しまれてきましたが、今では歯だけでなく、お口全体の健康を見直す大切な1週間になっています。
お口は、食べるところ、話すところ、笑うところ、そして、家族や友だちと気持ちを伝え合うところです。よく噛んで食べることは、体に栄養を届ける助けになります。お口をきれいに保つことは、むし歯や歯周病、口臭の予防だけでなく、全身の健康にもつながります。

歯磨きで歯を守ろう

小さな歯ブラシは、毎日お口の中を旅します。奥歯の溝、歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目。そこには、食べかすや歯垢が隠れています。歯ブラシだけでは届きにくい場所には、デンタルフロスや歯間ブラシが助けになります。
甘いお菓子をだらだら食べ続けると、歯は長い時間、むし歯になりやすい状態になります。おやつの時間を決めること。水やお茶でお口を潤すこと。よく噛んで唾液を出すこと。どれも特別なことではありませんが、歯を守る大切な習慣です。
子どもの歯を守ることは、これから生えてくる大人の歯を守ることにもつながります。そして大人にとっても、むし歯予防は欠かせません。治療した歯のまわりに再びむし歯ができたり、歯ぐきが下がった部分にむし歯ができたりすることもあります。年齢を重ねるほど、歯を守ることは「食べる力」を守ることになります。

あの女の子はその後、歯みがきの仕方を少し変えました。お母さんと一緒に奥歯を確認し、寝る前の仕上げみがきも続けました。半年後の健診では、新しいむし歯は見つかりませんでした。小さな歯ブラシが、毎日こつこつ働いたからです。
この機会に、ご自身とご家族のお口を見直してみませんか。痛くなってからではなく、痛くなる前に歯科医院へ。かかりつけ歯科医での定期健診と、家庭でのていねいなセルフケアが、歯と口、そして大きな健康を守る第一歩です。

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