公開日: 2024年4月19日 - 最終更新日: 2024年4月23日

[葛西新聞4/19号 医療特集] 健康は日々の食事から

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食事について考えよう

日々の食事は、健康と非常に密接な関係にある。
食生活を改善するコツや、押さえておきたいポイントなど、江戸川区健康部(江戸川保健所) 健康サービス課に話を聞いた。

自身の食事に関心が足りていない

江戸川区では令和3年に、区民へ向けて「食育・食生活」に関するアンケートを実施。アンケートでは「食育に関心がある」と答えた人が61.7%で、全国(83.2%)に比べ約20%低い結果となった。

また「自身を健康だと思っている」の項目にイエスと答えると同時に「健診で指摘されている項目がある」にもイエスと答えた人が多く「健診の結果に関わらず、健康状態を良いと感じている人が多いようでした。実際の健康状態と、本人との認識にずれがあります」と解説する。

さらに、健診で指摘された項目のうち、「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)(糖尿病)」や「中性脂肪(脂質異常)」など、食事に大きく影響される項目が、全国平均よりも悪いという結果が出ている。
「もちろん食事が全てというわけではありませんが、区内で男女ともに死因の1位・2位となっている『大腸がん』にも食事は大きく関わっています。食事の大切さをまずは啓発していくことが大切だと感じます」

朝食を食べることから

区の調査では回答者の24.4%が朝食を食べていないという結果も出た。
朝食は、しっかり取ることで「肥満予防」「筋肉量の低下を予防」「血糖値のコントロール」「フレイル予防」に効果があるとされている。おすすめの食べ方を紹介してもらった。

〈おすすめの食べ方〉

  • パンと牛乳、果物など調理がいらないものを組み合わせる
  • 野菜たっぷりの味噌汁に卵を入れる
  • 納豆を浅漬けで和える
  • 野菜入り月見うどん、残りご飯とインスタントスープの雑炊
  • 駅ナカのカフェやイートインコーナーを利用する

簡単おかずや「ちょい足し」、電子レンジや鍋一つで作れる料理など、まずは朝食を食べることのハードルを下げよう。「朝はあまり食欲がない、時間がなくて欠食してしまうという方も、手軽にバランスよく食べられる例です。食べる習慣のない人は、食べやすいものを少量から始めてみましょう」

主食・主菜・副菜を知ろう

食事は「主食」「主菜」「副菜」を揃えることでバランスが良くなる。まずはその分類について知ってほしい、という。

「主食」はごはん、パン、めんなど穀物の料理で、糖質と食物繊維が取れる。「主菜」は魚、肉、卵、大豆製品などを使ったメインのおかずとなる料理。主に含まれる栄養素は、たんぱく質や脂質。「副菜」は野菜、海藻、きのこなどを使った料理。主に含まれる栄養素は、ビタミン、ミネラル、食物繊維など。
「区民で主食・主菜・副菜を揃えた食事を毎日2回以上食べているという人は29.9%。また野菜の摂取量は平均一日197g(平均目安量350g)で、足りていないことも分かりました」
特に食物繊維が足りていない人が多く、意識して豆類や野菜、ごはん(雑穀や玄米だとなお可)を取ることを推奨している。
「食物繊維は、栄養素の吸収速度が緩やかになって血糖値の上昇を抑えたり、コレステロールを排出する働きがあります。

また、一時期はやった低糖質ダイエット(主食抜きダイエット)などは、長期間続けると悪玉コレステロールが増えるという報告もあります。50代以上であればカロリー不足はフレイルにもつながってしまう。やはり、バランスよく食べることが基本なのです」
主食・主菜・副菜を揃える食生活を実践した人は、がんや脳血管疾患、糖尿病などの病気にかかるリスクが減り、寿命にも関係しているという結果が出ている。

減塩を心がける

調査では、日々の食事を中食(持ち帰り)または外食している人が多いという傾向も見られた。
「中食や外食は塩分が多くなりがちなので、少し工夫して減塩してみましょう」
ラーメン(汁物)のスープは全て飲まない、器を小さいものに変えて見た目をボリュームアップさせるなど、日々のちょっとした工夫が減塩につながる。

また、自分で食事を作れるようであれば減塩食品の活用を。かつお節、こんぶ、煮干しなどの「うま味」や、ねぎ、しょうが、にんにく、みょうがなどの「香り」、酢、レモン、ゆずなどの「酸味」、七味とうがらし、こしょう・わさびなどの「辛味」をトッピングし、満足感を得るのもよいだろう。

「Edogawaまいにちごはん」でコラボ中

区ではこの3つのポイントを、「Edogawaまいにちごはん」として、区内企業や団体などと協力しながら啓発している。「ポスターや旗などを作り、学校や区の掲示板、医療機関などで掲示中です」
そのほか、スーパーで「朝食におすすめ」な食品のコーナーにポップを貼ってもらったり、ショッピングセンターで「減塩食品コーナー」を作ってもらったり、薬局で「朝食クイズ」を掲示してもらっているという。
「区内企業や団体にもご協力いただいています。コラボ団体を、まだまだ募集中です」
また、令和6年度は、小学生や中学生を対象にした、栄養や食育についての検定試験の実施も予定している。
「サプリメントなどで栄養を取るのも一つの手ですが、毎日の食事を主食・主菜・副菜を揃えて一日3食食べることで、栄養の質も量も良い食事になります。まずは自分の食事に関心を持ち、取り組めそうなことから、始めてみてください」

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本情報は、行徳新聞・いちかわ新聞・浦安新聞・葛西新聞各紙 2024年4月19日号に掲載しています
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