公開日: 2026年4月17日

【医療特集】飛蚊症とは?

葛西新聞
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見過ごしてはいけない病気も

加齢などによって、視界に動くものが見える「飛蚊症」。その原因と主な症状についてや、注意が必要なケースなどについて西葛西・井上眼科病院の溝田淳院長に話を聞いた。

硝子体が濁る「飛蚊症」

「飛蚊症」とは、視界の中に黒い点や糸くず、虫のようなものが浮かんで見える病気。40代以降に多く見られ、60代になると急増する。また、近視が強い人は、そうでない人に比べて早い時期に生じやすい。通常、眼球は「硝子体」というコラーゲン線維と水分からなる透明なゼリー状の物質が詰まっている。加齢などにより硝子体の水分が減少して縮む過程で濁りが生じ、その影が飛蚊症として現れることが多い。また、硝子体が萎縮する際に網膜から剥がれ、隙間ができることで黒い点や影が見える場合もある(これを後部硝子体剥離と呼ぶ)。いずれも加齢による生理的な変化として起こることから「生理的飛蚊症」と呼ばれ、時間の経過とともに気にならなくなることが多い。

危険な病気が潜むことも

一方で、急に症状が現れたり、黒い点の数が増えたりする場合は注意が必要だ。飛蚊症を初期症状とする病気が隠れていることがある。代表的なものに「網膜裂孔・網膜剥離」「硝子体出血」「ぶどう膜炎」などがある。後部硝子体剥離をきっかけに網膜に孔があき、進行して網膜剥離を起こすことがある。特に網膜の中心部である黄斑まで剥離が及ぶと、急激な視力低下や失明に至る可能性もある。また、糖尿病や眼外傷などが原因で硝子体出血を起こすと、視界が赤く見えたり、煙のようなものが漂って見えることがある。合併症や網膜障害の危険性もあるため、早期の受診が重要だ。

網膜硝子体の疾患の場合は?

網膜や硝子体の疾患が原因の場合は、視野欠損や失明の可能性があるため、早期に治療する必要がある。網膜裂孔では、レーザーで裂け目の周囲を焼き固め、剥離の進行を防ぐ。網膜剥離や硝子体出血では、白目に小さな穴をあけ、硝子体カッターで血液が混ざった硝子体を取り除く硝子体手術が行われる。硝子体手術後は白内障が進行しやすいため、白内障手術を同時に行うケースもある。近年は手術機器の進歩により、体への負担が少ない低侵襲手術が可能となり、手術時間の短縮や回復の早さも期待されている。飛蚊症の症状や視界の違和感を自覚した場合は、自己判断せず、早めに眼科を受診することが大切だ。

 

西葛西・井上眼科病院
溝田淳院長

 

 

 

 

飛蚊症の主な見え方
※上記は飛蚊症の主な見え方。違和感があれば早期に受診を

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