新店舗2店がオープン!
4月16日(水)、千葉商科大学で「学生ベンチャー食堂」新規2店舗のオープニングセレモニーとプレス試食会が開催された。
店舗は教室である
「学生ベンチャー食堂」は、授業で学んだ理論を店舗運営に生かし、実社会で役立つ経営知識とスキルを身に付けてもらいたいと、2011年から始まった取り組み。学生が在学中に起業することを奨励し支援するもので、キャンパス内の食堂3店舗の経営者を募集し、厳正な審査を通過した者に1年間の出店権利を与える。
選考に当たって重視するのは、経営体制や衛生管理、収支計画、魅力あるメニューと価格など。選ばれた学生経営者は、食品衛生責任者の資格や営業許可の取得、税務署への個人事業開業届など、プロの飲食店経営者と同様の手続きを踏まなくてはいけない。そして大学側が毎月、決算状況を確認し、改善が必要な場合は適時指導を行う。
学食にクック・ツー・オーダーを! 『ラーメン結』
手掛けるのは、鈴木修造さん(サービス創造学部2年)。大学の食堂や弁当は作り置きが主流で、「出来立てが食べたい」という声が多く、また食品ロスを減らしたいという思いもあり、注文を受けてから作り、出来立てを提供する「クック・ツー・オーダー」のラーメン店をやろうと思ったという。
学生有志で立ち上げた「新麺プロジェクト」とともに商品の開発も行い、毎月期間限定ラーメンを出す。5月は油そば。6月は検討中だ。
「2024年度出店の『おむすび結』の経営者、土屋颯大さん(2025年卒)のパッションに憧れて、自分もチャレンジしたいと思った。土屋さんが掲げてきた『大学と地域、人と人を結ぶ』というコンセプトを引き継ぐべく、ラーメン結としました」と熱く語る。
「1杯のラーメン作りにかける時間をいかに縮めるかに苦労し、試行錯誤を繰り返した」という。店のTシャツとエプロンにプリントされている「一笑懸麺」は仲間が考えてくれたもので、「僕の宝物です」。
和食×フェアトレード 『兎(と)なり』
経営者、桂川幸二郎さん(商経学部経営学科3年)は、学生ベンチャー食堂に挑戦するために同大学に進学した。フェアトレード(公正な貿易)について高校時代に知り、同大学がフェアトレード大学認定校(全国で6大学)であることで、さらに関心が高まったそうだ。
同店では、チョコレート(主にガーナ産)、白いりごま(ニカラグア産)、黒コショウ(スリランカ産)はフェアトレード認定商品を使用。看板メニューでもある、「チョコと味噌の鶏そぼろ丼」は、フェアトレードの代表格ともいえるチョコレートを、どうにかして和食に取り入れたいとの思いから開発したメニューだ。
「フェアトレード商品は、通常のものより値段が高く原価に響きます。使う量を予定より少なくするなど、工夫が必要だった」と苦労を語った。「それでも、食べるだけではなく、食べて貢献しているという心の充足感も一緒に味わってほしい。これからもフェアトレードの種をまく挑戦をしながらベンチャー食堂を盛り上げていきたい」
オープニングセレモニー
両店のメニュー
新規2店舗オーナーの鈴木さん(左)と桂川さん(右)、お祝いに駆け付けた先輩の土屋颯大さん(左から2番目)