公開日: 2024年4月19日 - 最終更新日: 2024年4月23日

[いちかわ新聞4/19号 医療特集] 睡眠が健康を支える

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睡眠が健康を支える

環境の変化が多い新年度。より良い睡眠を取りたいと思いながらも、不眠や寝つきの悪さに悩む人は多いのではないだろうか。睡眠は、心身の健康を保つ上で不可欠であり、不足するとさまざまな問題を引き起こす。
今回、睡眠を研究している和洋女子大学服飾造形学科の水野一枝准教授に、快適な睡眠のとり方などを聞いた。

水野一枝准教授

ノンレム睡眠の間に体が再生する

睡眠は大きくノンレム睡眠とレム睡眠の2つに分けられる。
ノンレム睡眠は睡眠の約80%を占め、この間に、成長ホルモンが分泌され、骨や筋肉の成長、免疫力や治癒力の向上、肌の修復など、体の再生プロセスが行われる。
一方、レム睡眠は睡眠の20%、主に夢を見る時間だ。ここで行われるのは、記憶の定着と情報の再処理。一般的に深い睡眠に約20分で到達し、それが90~100分継続する。これが夜通し3~4回繰り返されると言われている。
「睡眠不足は、抑うつ状態、糖尿病、高血圧、肥満といった健康問題を引き起こす可能性があり、便秘・けが・事故・転倒リスクの増加、学力・感情制御能力の低下、集中力や記憶力の低下にも繋がります」と水野さんは話す。特に睡眠時間が短いと、食欲亢進(こうしん)ホルモンの分泌が促され、一方食欲を抑制するホルモンの分泌は抑えられてしまうため、肥満のリスクが高くなるのだという。

日本の中年女性の睡眠時間は短い

OECDの調査では、日本人の睡眠時間が世界的に短いことが明らかになっており、特に中年女性でその傾向が強く見られる。
高齢者は国際的に見ても加齢に伴い、寝つく時間と起床時間が早くなり、中途覚醒の回数が増え、深い睡眠の時間が減少する。40~50代の日本人女性の睡眠時間が短いのは、家庭や仕事の責任が重く、自分の健康よりも家族のニーズを優先していることが一因と考えられるという。
「国際的な研究では、18~64歳は7~9時間、65歳以上も7~8時間の睡眠が望ましいとされており、日本の調査でも、最低の死亡率を示す睡眠時間は7時間だったことから健康と睡眠の関連は深いことが分かります」

睡眠の質を向上させるには

「睡眠の質を向上させるためには、まず、体内時計を正しくすることから始めましょう」
私たちの体内時計は、もともと25時間のリズムで動いている。地球の1日は24時間なので、それに合わせて体内時計を調整することがとても大切。具体的には、①朝、起きる時刻を規則的にする、②朝起きてから3時間までに明るい光を浴びる、③朝食と夕食の時刻を規則的にする、の3つ。
さらに、睡眠環境を整えることも重要。敷き寝具は寝返りがうちやすい適度な硬さのもの、掛け寝具は適度な軽さでやわらかく、肌触りが良いものを選ぼう。また、寝る前の30分~1時間はスマートフォンやパソコンの使用は避けるのが望ましい。
「子どもがなかなかゲームをやめてくれない場合は、『9時になったら歯磨きをして、寝る準備をする』などのルーティーンを決めると良いですね。高学年になったら、曜日ごとの生活パターンを話し合ってはいかがでしょう。睡眠が不足すると、体と心に良くないというのをしっかり伝えてください」
ただ、眠れないことを悩みすぎるのも禁物。一時的な深い悲しみや考えすぎで眠れなくなることは誰にでもあること。「そのうち眠れる、と大らかに構えておくのも一つの手です」と水野さん。
眠れない状態が3日以上続いたら、睡眠外来を受診してみるのもいいだろう。「生活リズムの見直しから、相談に乗ってくれるかと思います。まずは気軽に、相談してみてください」

3月には「国府台コンソーシアム」にて
睡眠と健康について講演を行った

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本情報は、行徳新聞・いちかわ新聞・浦安新聞・葛西新聞各紙 2024年4月19日号に掲載しています
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