梅雨明け前から厳しい暑さに見舞われた今年。まだまだ続く暑い日々を乗り切るために、健康管理を万全にして過ごしたい。すでに、熱中症で搬送される人が増えているというニュースを耳にするが、命にかかわることもあるだけに、厳重な注意が必要。夏休みに入ったばかりの今回は、改めて熱中症対策を考える。
熱中症と2つの警戒アラート
熱中症は、気温が高いなどの環境下で体内に熱がこもってしまうことで起こり、命にかかわる病態だ。近年、熱中症による救急搬送人員は数万人を超え、死亡者が1000人を超える年が多くなっている。
危険な暑さが予想される場合には、環境省と気象庁から「熱中症警戒アラート」が発表される。令和6年4月からは熱中症警戒アラートの一段上の「熱中症特別警戒アラート」も創設。この発表がある場合は、過去に例のない危険な暑さが予測される。人の健康にかかわる重大な被害が生じる恐れもあり、いっそうの対策が必要となる。
発表はニュースや天気予報、環境省のサイトなどで確認できるほか、メールやSNSで通知を受け取ることもできるので、利用しよう。
暑さを避けて、水分・塩分を
熱中症の予防には、暑さを避けて涼しい環境で過ごすことが最も大切だ。室内ではエアコンなどを使用して部屋の温度を調整。扇風機やサーキュレーターを併用して室内の空気を循環させると、冷房効率が高まりやすくなる。エアコンのフィルターが目詰まりしていると冷房効果が下がり、無駄な電気を使うこともあるので、こまめに掃除をしよう。
暑い日は運動をしていなくても汗をかくので、こまめな水分補給が必要だ。喉が渇く前から、1日あたり1.2ℓを目安に飲むよう心掛けたい。汗をかくと塩分も失われるので、スポーツドリンクや塩飴などで塩分も補給しよう。
熱中症のリスクが高いのは、高齢者や小さな子ども、体調不良の人、ふだんあまり運動をしない人など。身近に当てはまる人がいる場合は、周囲から積極的に予防対策するよう声をかけることが大切だ。
外出時に利用できる施設は?
暑いからと言って、家の中だけで過ごすのは子どもにとっても保護者にとっても窮屈なもの。そこで活用したいのが、公共の施設だ。行徳地域にはこども館のほか、市川市妙典こども地域交流館(ぴあぱーく妙典COCO)もあり、涼しい環境の中で子どもたちが遊ぶことができる。
また、危険な暑さを避けるための場所として各自治体では「クーリングシェルター」を指定しており、「熱中症特別警戒アラート」が発表された際に使用できる。一部施設ではアラート発表の有無にかかわらず、「涼み処(すずみどころ)」として暑さをしのぐ場所として利用が可能だ。行徳地域では行徳支所や公民館、塩浜市民体育館、あいねすとなどが指定されている。
◇
熱中症にならないためには、日ごろからの体調管理も忘れてはならない。季節にかかわらず、バランスのとれた食事や睡眠、適度な運動を取り入れ、心身を健やかに保つことを心がけよう。
※政府広報オンライン「熱中症特別警戒アラートとは?発表時の対策と熱中症予防のポイント」をもとに編集して作成