公開日: 2024年7月9日

知っておきたい健康の話

葛西新聞
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長引く咳は呼吸器内科へ
問診で原因を推定し、適切な治療を

風邪やインフルエンザなど、身近な疾患も扱う呼吸器内科。日常生活で咳や息切れ、胸の痛みなどの症状が現れたときには、受診することが大切だ。
今回、呼吸器内科受診の目安や治療方法について「中鉢内科・呼吸器内科クリニック」(旧田島クリニック)の院長で、呼吸器内科専門医、総合内科専門医の中鉢(ちゅうばち)久実医師に話を聞いた。

呼吸器内科は専門医が少ない

呼吸器内科は、喉から気管、気管支、肺までの呼吸器系の病気を診る診療科で、肺炎、気管支炎、結核といった感染症や、気管支喘息、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、間質性肺炎などの慢性肺疾患、睡眠時無呼吸症候群、禁煙外来、さらには肺がんのような悪性腫瘍も診療します。非常に広範な疾患を診る呼吸器内科ですが、専門医は、循環器内科や消化器内科に比べて約3分の1の4800人余りと少なく、規模の大きい病院でさえも呼吸器内科専門医が常勤しているところは限られています。

きちんとした管理、治療継続が鍵となる気管支喘息

気管支喘息のある方は、気道のアレルギー性炎症や過敏性により咳、喘鳴(ゼーゼーという音)、息苦しさなどの症状を感じます。
吸入ステロイド薬の登場により、死亡率は劇的に低下し、適切な治療を続ければ多くの人が問題なく日常生活を送れる病気になりました。最近では、呼気一酸化窒素濃度(FeNO)の測定によって、簡単かつより正確に気管支喘息や咳喘息を診断できるようになりました。また、通常の治療ではコントロールできない重症喘息の患者さんに対して生物学的製剤と呼ばれる注射薬が、治療の選択肢に入るようになりました。

COPDは全身疾患を誘発することも

日本で40代以上の約530万人が罹患していると考えられているにもかかわらず、診断・治療をしている患者は氷山の一角とされているのがCOPD(慢性閉塞性肺疾患)です。患者さんの多くは喫煙歴のある方で、主にタバコの煙に含まれる有害物質を長期間吸入することで起こる肺の炎症性疾患です。進行すると、息切れや長引く咳、痰などの症状が現れます。
「一般内科で喘息として治療してきたが、実はCOPDだった」という方も多く、ぜひ一度専門医を受診し、肺の画像検査、呼吸機能検査などを検討されてはいかがでしょうか。
近年、COPDが全身性炎症や心血管疾患、骨粗鬆症、糖尿病、抑うつなどを誘発することが指摘されており、これらの合併症も考慮した治療を行っていきます。

丁寧な問診で咳の原因を推定

呼吸器内科を受診するきっかけとして多いのは長引く咳です。その原因は多岐にわたるため、問診が重要です。医師から、咳が出るタイミングや職業、胃酸の逆流の有無、ペットの有無、時には加湿器や羽毛布団の使用状況など、幅広い分野からの質問があるかもしれません。
風邪の後、3週間ほど咳が続くことは少なくありませんので、次第に治まってくれば良いですが、新型コロナウイルス感染後の長引く咳で受診され検査をすると、もともと咳喘息があったことが判明することもあるので、改善傾向がないようであれば、専門医の診察を受けることをおすすめします。

中鉢内科・呼吸器内科クリニック 中鉢久実医師

 

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