
11月18日(火)、新井1丁目にある新井寺で、秋葉三尺防火坊大祭が開催され、火災消除や家内安全の御祈祷が行われた。

山門を入ってすぐ右側に石段があり、その上には、秋葉三尺坊大権現を祀る御眞殿がある。
秋葉三尺坊大権現は、観音菩薩の化身である火防せ(ひぶせ)の神様で、七難八苦の火から生きる人々を救うご利益がある。秋葉三尺防火坊大祭は、空気が乾燥し火災が多くなる時期を前に、観音さまのご縁日である11月18日に毎年行われている。

祈祷を受ける人が堂内に揃うと、太鼓の音が鳴った。チリンチリーンと場を清めるような音と共に住職が入堂。全員で礼拝をしたのち、読経が始まった。4名で行われる読経は心に響く素晴らしい声だった。
読経の合間に、住職が列席した人々の名前がひとりひとり読み上げ、火災消除、家内安全、心願成就などを祈祷した。

蛇腹状の教本をアコーディオンのように広げてはサラサラと落とし閉じる動きを繰り返す。これは「大般若転読」というもの。「大般若経」は膨大な経典のため全文は読めないため、一気にめくりながら大事な所だけ唱えることで、全てを読んだこととするのだそう。
一連の儀式を終えた住職は参加者に向けて「家焼くな、心を焼くな。人間の心の世界にも大きな火種があります。この火種を正しく使えば平和をもたらしますが、間違った用い方をすれば大火事となり自分を苦しめます。心正しく心豊かに信仰に親しんでいただいて、これからの1年が皆さんにとって火災消除・健康第一・家内安全、平和な年であられますように」と話した。

参加者には、御札と来年の干支の馬が刺繍されたタオル、敷地内のイチョウの木から採れた銀杏が配られた。「火の用心」の御札は台所など火を扱う所に貼れば、火災除けのご利益があるという。

秋葉山の総本山は静岡県袋井市にあり、分院は全国で1600もある。新井寺は関東のその本山であり、行徳 ・ 浦安地区唯一の曹洞宗のお寺である。禅寺なので座禅や写経に来る人も。弟子も多く、ここで修行した僧侶はみな住職になっているという。
「宗旨宗派を問わず、仏様のことや人生で困ったことがあれば、家族にも言えないことでも是非話に来てください」と住職。身近なカウンセラーのように心の拠り所として受け入れてくれるようだ。
施設情報
■秋葉山新井寺
千葉県市川市新井1-9-1
TEL.047-357-8319
※雨天運行休止
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