岡部技術士事務所 省エネお助け隊
岡部 信也さん(新井在住)
専門家の目で省エネ診断
大手総合電機メーカーに勤務していた岡部さんは、技術士(機械部門)とエネルギー管理士の資格を持つ。技術士は、科学技術の高度な知識と応用能力を有すると認められた技術者に与えられる国家資格。事業所のエネルギー使用方法の改善・管理を行うエネルギー管理士も、国家資格だ。
岡部さんがプロの技術者として提唱しているのが、「エネルギー資源が乏しい日本だからこそ、省エネと技術の力で私たちの生活を考えよう」ということだ。
現在、地域密着型の省エネ支援団体「省エネお助け隊」として、主に中小企業の省エネ診断や改善のサポートを手がけている。事業者の課題を分析し、節電や設備更新などの検討・試算を重ね、改善点を提案する。
「省エネは温室効果ガス削減はもちろん、コストダウンや経営改善にもつながるので、ぜひ事業者さんに関心を持っていただきたい」
TMOのつながりで広がった活動
知人の勧めで受講したTMOでは、さまざまな地域活動をする仲間に出会った。活動をより具体的に進めるにはどうすれば良いか、人集めの苦労など、分野は違えど共通の課題は多かった。
「お互いのイベントに参加したり、連携して活動を行ったり、皆で意見を交換したり、TMOで活動の幅が広がりました。しかし、世間はまだ省エネや環境のことは二の次になりがち。意識を高く持ってもらうには、地道に伝えていくしかありません」
その方法の1つが、セミナーだ。市川市とのつながりもできたことで、昨年は総合環境課の協力で事業者向けの省エネセミナーを実施。今年も6月にセミナーを開催する。
将来を担う子どもたちにも伝えていきたい
国や自治体から省エネに関する補助金が出るようになったことも、省エネの意識づけに役立っているという。
「千葉県の補助金を受けるには省エネ診断が必須なので、事業者さんが取り組む良いきっかけになっています」
補助事業は各省庁や官庁、自治体がそれぞれ実施しているので、一般の人には少し難しい。そこで岡部さんは事業を一覧表にまとめて紹介するなど、情報を事業者へ分かりやすく伝えている。
「今後は、市民や子どもたちにも省エネやエネルギーに関心を持ってもらえるよう活動していきたい」と岡部さん。7月には子どもを対象に、太陽光・熱だけで料理ができるソーラークッカーの工作と実験を行う予定だ。
「電気がある生活が当たり前ではないことや、ものづくりの良さ・工夫することの大切さを、将来を担う子どもたちに体感してほしい」
専門的な知識を分かりやすく。岡部さんの活動は続く。