公開日: 2024年1月1日

【新春インタビュー】 防災意識を高め 地域一体で備えと対応を

いちかわ新聞の中の人
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昨年4月、市川市消防局長に就任した角田誠司さん。「生まれも育ちも市川市。このまちを守れる人間になりたいと、消防を志しました」。昨年の火災・救急の状況や業務を振り返るとともに、今年の取り組みについて話を聞いた。

角田誠司市川市消防局長

基本的な防火対策と救急車の適正利用を

年間火災発生件数は、平成28年から100件を下回る状態が続いている。昨年は11月末現在62件で、前年とほぼ同数。火災の主な原因は、タバコ(18件)、放火・放火の疑い(7件)、コンロ(5件)。中でも原因の約3割を占めるタバコは増加傾向で、前年比1・5倍に及ぶ。
「寝タバコや火種が消えていない吸殻を捨てるなど、タバコの不始末が目立ちます。適切な処理をお願いいたします」
同様に、放火を防ぐため家の周辺に燃えやすいものを置かない、コンロ使用時はそばを離れないなど、私たち一人ひとりが基本的な行動を徹底することが大切だ。
救急の出動件数は昨年11月末現在で2万6252件。前年比1740件増で、最多だった令和4年の2万7114件を上回りそうな状況だ。すべての救急車が出動し、緊急性の高い事案に対応できないケースも考えられるため、消防局では市民に適正な救急車の利用を呼び掛けている。
「もちろん人命の危機など緊急の場合は迷わず119番通報を。救急車を呼ぶべきか、どこの病院へ行くべきか迷ったときは、『あんしんホットダイヤル』もご利用ください」

イベント再開で市民と交流

昨年は、コロナの影響で実施を見合わせていたイベントや広報活動も再開。サマーフェスティバルや消防艇ちどりの乗船体験イベント、「救急の日」にちなんだイベント「救急広場」には、多くの市民が訪れた。
今年1月の「消防出初式」も一般の観覧を再開し、今後は親子で参加できる救命体験イベント等も予定している。
女性消防吏員募集を呼び掛ける「ラッピングバス」という、新たな試みもあった。
「消防は男性の職場というイメージが強いかと思いますが、女性もたくさん活躍しているということを知っていただこうと、包括協定を結んでいる和洋女子大学の学生さんにデザインをお願いしました。3月末日まで走行していますので、ぜひご覧ください」

情報発信とともに市民の声を聞く

住宅防火対策として、今年も引き続き住宅用火災警報器の設置を推進していく。
「国の設置率調査では、令和5年6月1日時点で市川市は86%(全国84・3%、千葉県79・3%)と、市民の皆さまの防火意識の高さが伺えます。設置から10年で交換時期を迎えますので、適切な維持・管理もお願いいたします」
地震や大雨など自然災害への備えや対応も、消防局の大きな役割だ。
 「地域で活動されている消防団や婦人消防クラブをはじめ、市民の皆さまや事業所と協力し、防災に努めていきます」
市民の防災意識や知識がより高まるよう、広報活動や交流イベント、救命講習などにも注力していく考えだ。「情報発信とともに、市民の皆さまからの意見や要望をお聞きして、今後の活動に反映していきたい。職員一同、皆さまの安全・安心を守るためにこれからも尽力いたしますので、ご理解・ご協力をお願いいたします」
■あんしんホットダイヤル(市川市急病医療情報案内)
☎0120・241・596
※フリーダイヤルで24時間・無休で利用可

 

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