
たくさんのご応募ありがとうございました。
ご応募いただいた中から見事選ばれた特選2句、佳作3句を発表いたします。
選者コメント
俳句を作ることに、大変悩んで苦しい時があります。言葉選びが、こんなにも難しいかと、思う時があります。自分の表現したい「思い」や「感動」にすぐ結びつく言葉がなかなか見つからない時です。俳句はもちろんですが、凡そ文芸は自分の奥底の「思い」や「感動」を何とか表現したいという欲求に駆られ、その発露として納得できる言葉を見つける行為ではないかと思います。俳句を作るということは、今自分が生きている「不思議さ」、「驚き」、そして「楽しさ」や「辛さ」、また「老い」や「死の恐怖」すらも、言葉に託して、表現したいということではないでしょうか。ぜひ皆さん、風景でも、動物でも、植物でも、事物でも、多くの言葉を知って、その中から自分の「思い」を伝えたい言葉を探し、ひとつの世界、ひとつの物語を、世界一短い詩形の中に、表してみてはいかがでしょうか。句作りを、苦しみつつ楽しんでください。
「街を踏むゴジラの心地霜柱」 成規(『遊戯の遠景』より)
いちかわ俳壇

特選
- 姉妹すでにライバル七五三祝
(葛飾区/白翆)
【評】姉は七歳、妹は三歳でしょうか、奇麗な着物を着てしっかりとお化粧をして神社に参拝します。特に妹は姉を意識しています。二人が成長してからはなおさらでしょう。その初めが、着飾った七五三祝いにあると、作者は気づいたのです。兄弟以上に姉妹はライバルかもしれませんね。
- 雪の野の埋もるる標右かうや
(練馬区/平松桜石)
【評】空海(弘法大師)が開山した真言密教の高野山は古くから参詣者が多く、一度参詣すれば罪が消えると言われて、参詣道は多くの人で賑わったそうです。雪の日、作者は「右は高野ですよ」と書かれた道標を発見し、徒歩で行き交った往時の参詣道を思い浮かべたのでしょう。
佳作
- 門限を破りし夜の冬銀河
(船橋/よこさん) - ジーンズのほつれの穴や喜寿寒し
(国分/路行) - 小説を斜め読みして年の暮
(杉並区/すみこ)
行徳俳壇

特選
- 落葉焚のとんと見かけず夕間暮
(行徳駅前/人魚姫)
【評】現在、焚火は法律や条例で禁止されていて、住宅地ではほとんど見られなくなりました。今日一日集めた落葉を、夕暮れに焚火にする風景は懐かしいです。中七の「とんと見かけず」が、近年に失われた慣習への郷愁を感じさせます。
- 春を待つ仁王は足を踏ん張りて
(富浜/小川はる乃)
【評】大きな寺の山門には伽藍の守護神として一対の金剛力士像が安置されています。口を開けた阿形と口を閉じた吽形の仁王像で、両像の足は大地を強く踏んでいます。二神は半裸形ですので一見寒そうに見えますが、作者はそれを寒さに耐えて春を待っている姿と捉えたのでしょう。
佳作
- 舟揚ぐる漢束ねて息白し
(幸/汐風 爽) - 寒風に痩竹騒ぐ寺の裏
(新井/坊山人) - 冷える手と繋いで見えるオリオン座
(妙典/さにゃっこ)

選者略歴峰崎成規。昭和23年生まれ。
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