あごや肩のつらさはそのせいかも?
肩こりや頭痛、あごのだるさが続く…、もしかしたらそれは「歯列接触癖(TCH)」からくるものかも。そう話す、市川市歯科医師会の中野洋子歯科医師に、TCHとは、またその直し方について、話を聞いた。
歯列接触癖(TCH)とは
「朝起きるとあごがだるい」「肩こりや頭痛がなかなか良くならない」「最近、歯がしみやすい気がする」…。このような悩みは年齢や疲れのせいだと思われがちですが、毎日のちょっとした生活習慣が関係している場合もあります。
その1つが、歯列接触癖(TCH)です。TCHとは、食事や会話をしていないときでも、無意識に上下の歯を接触させ続けてしまうクセのこと。
実は私たちの歯は、何もしていないときにはわずかに離れているのが自然な状態です。上下の歯が触れたままの時間が長くなると、その間、あごの筋肉や関節は休むことができません。強くなくても、弱い力でも長時間かかり続けると、あごに痛みや違和感、口の開けづらさなどが起き、その影響が頭痛や肩こりとして現れることもあります。さらに、歯がすり減る、詰め物が外れやすい、知覚過敏が悪化するなどの原因となる場合もあります。
TCHは、スマートフォンやパソコンを見ているとき、細かい作業に集中しているとき、家事や考えごとをしているときなど、日常のさまざまな場面で誰にでも起こり得ます。忙しい現代生活では、知らないうちにクセになってしまうのです。
TCHを直す方法は?
対策はシンプルです。合言葉は「唇は閉じて、歯は離す(かまない)」。気づいたときに上下の歯が触れていたら、そっと離してください。それだけで、あごへの負担は大きく軽減します。パソコンやテレビの画面の近くに合言葉のメモを貼る、スマホのアラームを1日数回鳴らしその都度確認する、信号待ちのたびに確認するなど、「思い出す仕組み」を作るとクセを直しやすくなります。
姿勢も大切。うつむく姿勢は食いしばりを誘発しやすいため、スマホは画面の位置を上げ、肩の力を抜くよう意識してみてください。また、ストレスや集中が続く時期、寒さで肩に力が入りやすい冬場は、TCHが強くなる傾向があります。子どもでもゲームや勉強中に起こることがあるため、家族で「歯は離れているかな?」と声をかけ合うのも良い方法です。
あごの痛みが強い、口が開きにくい、歯が欠けた・詰め物が取れた、といった場合は早めの受診をおすすめします。歯科では、かみ合わせや歯のすり減り、筋肉の状態を確認し、生活の工夫や必要に応じたマウスピース(スプリント)などを提案できます。つらさを我慢せず、早めに相談することが、健やかな口元と快適な毎日につながります。小さなクセに気づき、整えることが、将来のトラブル予防にもなります。








