実証実験に向けて、導入の適性を検証
江戸川区は12月3日(水)~17日(水)、小型電気自動車「グリーンスローモビリティ」の活用を見据えた試験走行を行った。区内の交通空白地域における移動手段の確保や、地域の回遊性向上を目指すもので、区民と連携しながら持続可能な移動手段の検討を行う。
交通課題の解消に向けて
区内の公共交通網は、5つの鉄道路線と、駅を起終点あるいは経由して、主に南北方向に3事業者によるバス路線が形成されている。一方で、バス停留所から半径300メートル以上離れているなど、交通課題のある地域が11カ所点在している。区はこれらの地域の課題解消に向けて、2022年から2023年にかけてコミュニティ交通の実証運行を実施するなどの検証を行ってきた。
今回、新たな移動手段として導入を検討している小型電気自動車「グリーンスローモビリティ」は時速20キロメートル未満で公道を走行する車両。二酸化炭素の排出を抑え環境負荷を軽減できるほか、車幅が小さいため狭い道路でも通行できるといった利点がある。車両は運転手を含めて8人乗りで、普通免許を持っていれば誰でも運転することができる。
葛西エリアでも試験走行実施
試験走行では各地域を巡回しながら、生活道路の安全性や後続車への影響など走行上の課題を整理。今後の実証実験で運行するルートを検証する。
試験走行を行ったのは、上一色地区周辺と「なごみの家瑞江(江戸川2)」周辺の2地区。いずれも、バス停留所から300メートル以上離れた地域を含んでおり、「生活の足」となる移動手段の確保が求められている。また、現在リニューアル工事を行っている「区立総合レクリエーション公園(西葛西6から南葛西7)」周辺でも試験走行を実施した。公園周辺の回遊性向上や、「魔法の文学館(江戸川区角野栄子児童文学館)」へのアクセス向上の可能性を検討する。
都市開発部まちづくり調整課の担当者は、「昨今のバス運転手不足の課題のある中、持続可能な地域の『生活の足』となる交通について、皆さまの声を聞きながら一緒に考え、実現に向けて取り組んでいきたい」と話す。

試験走行はリース車両を使って行われた。
