公開日: 2025年12月16日

行徳鳥獣保護区50周年を記念した研究者による講演会開催【行徳】

baychibainfo
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12/13(土)、南行徳市民センター2階の多目的ホールで、行徳鳥獣保護区50周年記念の講演会「研究者が語る!保護区の豊かな生き物たち」が行われた。
これまで保護区で調査をしてきた大学の研究者を招き、保護区で暮らす生き物について、一般の人にもわかりやすく解説された。

 

行徳鳥獣保護区造成から50周年を記念して開催されたもので、保護区で生息する多種多様な生き物の魅力を知ってもらおうと、保護区の環境保全や研究活動を行うNPO行徳自然ほごくらぶが企画した。

保護区の成り立ちについての話から始まった講演会は2部制で行われ、、1部では陸の生き物、2部では水の生き物をテーマに、ほごくらぶの職員や大学研究者が解説した。

 

1970年代、高度経済成長期の都市開発が進む中、行徳鳥獣保護区は野生生物の保全を目的に人工的に造成された。広さは約56ヘクタール。

干潟、、湿地、淡水池、草原、林があり、植物は600種近く、野鳥280種、昆虫1,000種以上も観察されている。水源はなく、生活排水と雨水、側溝の水を利用して湿地環境を作っているという。

 

ほごくらぶ職員の佐藤達夫氏は「保護区の鳥たち」と題して講演。保護区にやってくる渡り鳥の増減や、カワウが増加した理由についてなど解説した。

標識を付けたアオサギが谷津干潟からたった2日間で宮﨑へ移動する話など、鳥たちの驚くべき生態について学ぶことができた。

 

慶応義塾大学准教授の糟谷大河博士は、「保護区のきのこを探る」をテーマに講演。「ヒメシロフクロタケ」が保護区で初めて発見され日本新産種となったことや、きのこが森の掃除役を司ることなど解説した。
保護区には130種あるといい、落葉や枯れ枝の上などをよく観察すればきのこに出会えるという。
ちなみに、千葉県と沖縄県だけマツタケが生えないという話は、いつか誰かに伝えてみたい。

 

会場内にはパネル展示もあり、保護区の生き物の紹介や、保護区の成り立ちなどが学べるようになっていた。
また、ほごくらぶ職員の内田脩太氏の講演「保護区にはどんなゴミムシがいるの?」に合わせ、貴重なゴミムシの標本展示もあった。

今回の記念講演には会場での参加者が約60人、ZOOMを使ってのオンライン参加者のほか、「あいねすと」でも配信内容が同時上映され、多くの人が楽しんだようだ。

 

ほごくらぶでは、定期的に観察会や探鳥会などを開催し、観られる保護区の生き物たちの四季折々の様子を観察できる。
開催日程については公式サイトをチェックし、身近にある豊かな自然を是非体感してみて。

NPO行徳自然ほごくらぶ

市川市福栄4-22-11 行徳保護区管理事務所

公式サイト

 

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