園田 純子さん(鬼高在住)

転機は市川への転居
理由なんてない、ただ着物が好き。これが園田さんの活動の源だ。
着物との出逢いは小学生。「母の絣をこっそり着たことで目覚めました」。成人式では豪華な振袖に感動し、社会人になると、展示会場で着物を購入。着物はずっと好きだった。
しかし生まれ育った札幌は雪国ということもあり、着物を着る機会も着物姿の人を見かけることも少ない。園田さん自身も、袖を通さないままの着物があったほど。
5年前、結婚を機に市川で暮らし始めたことで状況は一変する。雪がなく、習い事以外でも普段から着物を着る人がいて、呉服屋も多い。市川は、日常に着物を取り入れやすい環境だった。
「のれんをくぐってお店を利用しようという、大門通りの『KUGURU(くぐる)展』に一般客として参加、市川市内には着物が似合う歴史ある街並みや文化が多いことも知りました」
着物を着る機会が増え、着付けも習得。「市川に来たことで私も成長できました」
TMOが内面を引き出してくれた
KUGURU展のボランティア仲間に受講生がいたことをきっかけに、TMOに参加。しかし当初はしたいことが決まっておらず、漠然とした状態でのスタートだった。
印象的だったのが、ブロックでお題を作ったときのこと。
「同じパーツを使っているとは思えないほどの多様性と創造性に感動しました」
個性あふれる仲間と学び、コミュニケーションを取りながら、自分は市川で何ができるかを考えていくのだが、なかなか決まらない。そんなとき、講師から「自分の得意なことをやりなさい」と助言された。
「得意なものは着物です」と話すと、なぜ好きなのか、どこがいいのかなど、とことん質問された。聞かれたことすべてに答えると、「その着物を題材にしたらいいんじゃない?」と言ってもらえた。
「好きなことをしていると楽しいし、絞り出さなくても思いがあふれてくる。私の内面を引き出してもらえた瞬間でした。TMOに感謝ですね」
着物を着る人を増やしたい
「洋服感覚で着られる着物や、羽織1枚でもいいので、着物を着る人を増やしたい」という園田さん。今年のKUGURU展ではボランティアの実行委員として参加し着物割引やサービスなどの特典を提案。参加者にも参加店舗にも好評だった。
今後も着物の魅力を発信すべく、既存のイベントとコラボできないかなど、模索・提案中だ。さらに、園田さんには叶えたい願いがある。
「『市川キモノ祭り』の開催です。こんなに着物が似合う街なのに、どうして市川市はやらないのかしら、私がするしかない?(笑)」
ただ着物が好き。その思いが、園田さんをさらにつき動かしていく。