公開日: 2025年11月7日

「歯から始まる健康づくり」全身の健康は健康なお口から

いちかわ新聞
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11月8日は「いい歯の日」

「歯」と聞いてまず思うのは、「虫歯にならないように気をつける」「歯並びや歯の白さで見た目の印象が変わる」。しかし「実は、歯の健康は全身の健康や、私たちの生活の質そのものに大きく関わっています」と警鐘を鳴らすのは、市川市歯科医師会の渡辺勇樹医師。くわしく話を聞いた。

歯周病は「お口の病気」にとどまらない

近年、歯周病菌が歯肉の炎症だけでなく、血管を通じて全身に悪影響を及ぼすことが指摘され、歯周病と全身疾患との関わりが注目されています。
よく知られているのが糖尿病との関係です。糖尿病は免疫力の低下や炎症反応を強め、歯周病を重症化させます。一方、歯周病は血糖コントロールを悪化させることで糖尿病を進行させます。ほかにも心筋梗塞や脳梗塞などのリスク上昇や、さらにはアルツハイマー型認知症との関連も報告されています。
「歯肉が腫れている」「歯磨きで血が出る」といったサインを放置すれば、口の中だけでなく、将来的な健康リスクにもつながるのです。

よく噛むことは脳も体も元気にする

「噛むこと」は大切で、よく噛むと唾液の分泌が促され、虫歯や口臭の予防につながります。さらに、噛む動作は脳を刺激し、集中力や記憶力の向上にも役立ちます。しっかり噛むと満腹中枢が働き、食べ過ぎ防止や肥満予防にも効果的です。秋の味覚であるりんごや柿、サツマイモなどは噛みごたえがあり、自然と「よく噛む習慣」をサポートしてくれる食材。旬の味を楽しみながら、歯と体の健康を一石二鳥で守れます。
よく噛めるためには健康な歯があることが大事です。自分の歯が数多く残っている人ほど、介護が必要にならずに自立した生活を送れる年数「健康寿命」が長いと、複数の研究で示されています。

見た目にも大きな影響を与える「歯」

人と会ったとき、まず目がいくのは「顔」。中でも「口もと」は印象を大きく左右します。歯がきれいに整っていると若々しさや清潔感があり、笑顔も自然に輝いて見えます。反対に、歯が欠けていたり着色が目立っていたりすると、実際の年齢より老けて見られがちです。「いい歯」を守ることは、健康面だけでなく、人生を明るくする自己投資といっても過言ではありません。

毎日のメンテナンスと歯科定期検診の重要性

「いい歯の日」をきっかけに、毎日の習慣を見直してみませんか。歯周病は生活習慣病の1つとも言われ、日々のメンテナンスが重要です。毎日、朝昼晩3回のていねいなブラッシングで歯の表面に付いた汚れを落としましょう。フロスや歯間ブラシを使うと、歯ブラシだけでは落としきれない歯と歯の間の汚れを除去できます。積極的に活用しましょう。
そして定期的に歯科医の検診も受けてください。そこでは日々の歯磨きでは落とし切れない汚れを除去してくれます。それが歯周病や虫歯の予防になり、着色が落ちて健康的な見た目が得られます。
歯科検診はまた、虫歯や歯周病の早期発見にも有効です。それらの病気は初期の段階では症状が出にくく、定期的にチェックしないと気づかないことが多いです。痛みが出てからではなく、予防のために歯科定期検診を受けることをおすすめします。

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