公開日: 2025年9月8日

<ご近所さんの生活 第44話 武井 怜>エッセイ漫画 【毎週更新】

baychibainfo
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市川市で暮らす、パパ(父)と、おっか(母)と、ごはちゃん(猫)と、私(武井怜)の日常の、漫画と文章です。
ちょっと気になる「ご近所さんの生活」を、我が家のでよかったら、見てもらえたら嬉しいなと思います。

 

【第44話】
『缶チューハイと母娘の話』

7月の、あるとっても暑い日、アイスクリームを、アイスクリームの姿のままで、家まで持ち帰ることができないのはもちろん、お肉やお魚を買ったら、腐らせてしまいそうな日に、おっかと私は、スーパーマーケットに買いものに行きました。スーパーマーケットに着いて、買いものをしているときに、おっかが、帰り道も暑いから、脇に挟む用の飲みものを買おうか、と言いました。それで、普段は、パパもおっかも、私も、もちろんごはちゃんも、だれも飲まない、缶チューハイを2本買いました。どうしてわざわざ、私たち家族が飲めるものではなくて、だれも飲まない缶チューハイを選んだのかというと、缶チューハイの方が、私たち家族が飲めるものよりも、外側が冷たかったからです。まず、ペットボトルより、缶が冷たいね、という話になって、おっかと私は、缶ジュースを探しました。だけど、缶ジュースは、売られていませんでした。私は、現代の缶ジュースのなさに、びっくりしました。それで、おっかと私は、お互いに、缶チューハイのなかでも、まだこれなら飲むなあ、という缶チューハイを選んで買いました。私は、梅のやつを買いました。おっかは、どんな缶チューハイを選んだのか、忘れました。おっかと私は、スーパーマーケットで買いものを終えて、帰り道に、途中で立ち止まって、かばんから缶チューハイを取り出しました。それで、その缶チューハイを、脇に挟んだり、首筋にあてたりしながら、また、帰り道を歩きだしました。それでも缶チューハイは、すぐにぬるくなっていました。

おっかと私は、家に着いてから、缶チューハイを冷蔵庫にしまいました。そして、これからも、暑い日に外に出るときは、この缶チューハイを、また持って出ようか、という話になりました。おっかと、いつも缶チューハイを持ち歩いている母娘って、近所で名物になるかもね、と言って笑いました。

それから、何週間か経った別の日に、おっかと私は、お出かけした帰り道に、スーパーマーケットで買いものをしました。そのときに、明太子を買いました。だからその日は、その明太子が腐らない用の、缶チューハイを買いました。我が家の冷蔵庫に、缶チューハイが増えていきます。

 

<ご近所さんの生活>エッセイ漫画
前のお話はこちら

 

武井 怜

1988年生まれ。現在、両親と猫と千葉県市川市在住。動物、お笑い、海外のコメディ、甘いもの、お相撲などが好き。コミックエッセイ『気にしすぎガール~この世のあらゆる物事に気を遣いすぎる女の日常~』(KADOKAWA)発売中。

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