~改めて市川のことを知ろう~
市川で暮らし始めて間もない場合はもちろんだが、長く住んでいても地元のことをあまり知らないという人も意外と多いのではないだろうか。市川の歴史や産業などを、改めて紹介したい。
豊かな自然と長い歴史が魅力
千葉県の北西部、マスコットキャラクター「チーバくん」の口の辺りに位置し、東西は狭く、南北に長い市川市。北部は東葛台地で、台地の南から海岸までは行徳低地が広がる。緑と海、川。豊かな自然に恵まれた街だ。
縄文時代、台地は遠浅の入り江になっていて絶好の漁場だったことから、人々が暮らすようになった。大化の改新後は下総の国の国府が設置。鎌倉時代には下総の守護が置かれたと考えられ、この頃、中山法華経寺が建立されている。江戸時代になると北部を中心に農業が盛んになり、南部では立地を生かして塩業が発展。また人々のよりどころとして寺社も増えた。
こうした長い歴史を持つだけに、市川には貝塚や史跡、寺社など数多くの文化財が残っている。法華経寺の2つの国宝をはじめ、国の重要文化財や記念物も多い。
多くの人に選ばれる街に
昭和9年に市制が施行され、翌10年には総武本線本八幡駅が開設。次第に人口が増え、とりわけ昭和35年以降は急激に人口が流入し、本格的な市街化が始まった。
合併で市域も広がり、臨海部の埋立地には工場が進出。駅周辺は商業施設などが集まり、田園地帯では宅地化が進んだ。昭和43年に東西線が開通すると、行徳地区でも宅地化が進んでいった。
現在、市川駅や本八幡駅周辺には再開発で高層ビルやマンションが建ち並び、行徳地区も新たなマンションや住戸が増えた。令和7年4月30日現在、市川市の人口(住民基本台帳)は49万6650人。昨年の同時期と比べて、1779人増。
歴史ある街でありながら都市化が進み、かつ交通アクセスが良い。そんな市川を「住む街」として選ぶ人が年々増え続けている。
実は農業も水産業も盛ん!
市川の基幹農産物といえば、江戸時代から栽培が行われてきた梨。北東部の台地を中心に梨作りが行われ、全国有数の梨産地だ。トマトやネギ、ダイコンなどの野菜、ユリやシクラメンなどの花きも生産されている。また、イチゴ狩りやブルーベリー狩りを楽しめる観光農園もある。
東京湾に面した行徳地区では水産業が営まれている。塩浜地先海域を漁場とする海苔養殖やアサリ採捕の浅海養殖業のほか、東京湾ではカレイやスズキ、サヨリなどの漁獲も。近年、三番瀬ではホンビノス貝が漁獲されており、その食味の良さが注目されている。
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身近に貴重な史跡や国宝があったり、緑と海があったり、地元の農産物や海産物をいただけたりと、さまざまな顔を持つ市川。まだ知らない市川の魅力を、もっと探してみてはいかがだろうか。