公開日: 2025年12月26日

【新春インタビュー】みんなが暮らしやすいまち 「なんとなくいい」と感じる浦安を

浦安新聞
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市民とともに全力でつくっていきたい

「昨年3月に市民の皆さまから負託をいただき、身の引き締まる思いで3期目を務めています」と話す内田悦嗣浦安市長。新年にあたり1年を振り返るとともに、今年のまちづくりについて話を聞いた。

成熟期に入った浦安の課題に対処

内田市長が2期目後半から感じていたのは、浦安が成熟期に入ったということ。そのため「10~20年後を見据え、顕在化してきた課題に対処する必要があります」。
昨年は、高齢化対策として「地域包括支援センター高洲・日の出支所」、不登校の生徒たちが学ぶ「学びの多様化学校」を開設、さらに子どもたちの情報通信技術(ICT)活用能力を育むべく、市立17の小学校に「メディアセンター」の整備を進めている。
舞浜地区周辺の消防力強化に向けた消防署出張所の建設は建築費高騰の影響で入札不調が続いたが、3回目で決まり、動き出した。
「境川かわまちづくり」では、境川公園の整備が完了。河川管理者である千葉県と調整して遊歩道も造った。
「今後も、県や市民と一緒にかわまちづくりを進めたい」
東京藝術大学との連携によるアートを生かしたまちづくり「浦安藝大」も、ワークショップに多くの人が参加したり、学校と連携するなど、3年目にして市民に認知されてきた。
学校の枠を超えたURAYASU文化クラブ(学校地域文化クラブ)の活動も始まった。指導する教師も参加する児童・生徒も、活動の基準は「好き」という思い。現在、昆虫、写真、オセロ、クッキングの4クラブが活動中で、「将来的には地域の人のスキルもお借りして進めていければ面白いのでは」と、さらなる広がりに期待を寄せる。

市民にていねいに説明し理解してもらう

今年は舞浜公民館の建設を進め、日の出公民館隣に子育てに関する複合支援施設を整備していく。子どもの居場所づくりにも注力する。
日の出地区の温泉施設跡地で整備を進める防災スポーツ施設には、3つの目的があると市長はいう。1つ目は日の出地区の乱開発防止。2つ目は災害対策で、大震災が起きたときの災害廃棄物の仮置場や仮設住宅用地を確保する。そして3つ目が、スポーツ施設需要への対応だ。
「運動公園の総合体育館の大規模改修時には代替の体育館が必要ですし、総合公園のサッカー場は暫定的なものなので、ここにグラウンドを確保することも見据えています」
そのほか、特別養護老人施設の老朽化、クリーンセンターの建て替え、宿泊税導入など、すべきこと・検討すべきことは多い。
「防災面を考えても高齢化の中、自主防災組織が東日本大震災時と同じ動きをすることは難しい。都市計画の構造的な見直しも踏まえ、さまざまなことに取り組んでいく必要がありますが、クリアできれば浦安はもっと輝くことができるはず。夢のある話ばかりではないので、市民の皆さまにていねいに説明し、理解していただくことが市政運営の一番の基本だと感じています」

2番手としての歩みから見えるもの

昨年度、東京理科大学とシビックプライドの共同研究を行ったが、市民の意識としては「浦安はなんとなくいい、なんとなく住みやすい」という分析結果が出た。これを内田市長は最大の褒め言葉だと受け止めている。
「何か突出したものはないものの、住環境や利便性、財政力など相対的にレベルが高い、つまり、まちに対する大きな不満がないという評価だと思っています」
全国的に見れば財政力や地域資源で浦安がトップランナーになることはない。このトップランナーではない、2番手こそが、浦安の歩むべき道だと考えている。
「トップの動きを見て学びながら駆けていけば、方向を間違えることはない。これからも浦安の現状を市民の皆さまにご理解いただきながら、ともに『なんとなくいい浦安』をつくっていきたい」

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