
29歳のとき、人生を揺さぶる衝撃に出会った。写真家・安藤誠氏の講演会で見た、一枚のオーロラの写真。
「バイトをしては海外へ出る、そんな漂うような日々の中で“私、何者にもなっていない”とズドンと響いたんです。」
「オーロラを撮りたい!」その思いだけを胸に、安藤氏が運営する北海道のロッジに飛び込み指導を仰いだ。
「寝泊りはなんとロッジの脱衣所(笑)。寝ている時でさえカメラを手放したくなかった。いつチャンスが来てもレンズを向けたかったんです」と笑う。
必死に学び、1年後には念願のアラスカでオーロラ撮影を果たす。

北海道をはじめ各地で撮影した作品をSNSで発信すると撮影依頼が舞い込み、海外メディアにも掲載される。「“好き”に全力で向き合うと、人生って動き出すんだ」と振り返る。



その後は拠点のある船橋に戻り、撮影や動画制作、富士フィルム銀座と札幌で個展を開催するなど活動の幅を広げる。
結婚後は夫が営むレストラン「創作割烹武田101」の女将としても活躍する多彩ぶり。
市川にも縁が深く、木内ギャラリーでの個展や、妙典マルシェでは“自家製女将の米粉チーズケーキ”や“ハニージンジャーレモン”が大人気に。

「カメラを向けたその瞬間は二度と来ない。その一瞬を永遠の喜びに変えられる…それが写真の魅力。これからもそのすばらしさを届けていきたい」と語る姿はまっすぐで、まるで光を追いかけているようだ。
これからの活動にもますます期待が高まる。

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