公開日: 2025年10月27日

<ご近所さんの生活 第51話 武井 怜>エッセイ漫画 【毎週更新】

baychibainfo
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市川市で暮らす、パパ(父)と、おっか(母)と、ごはちゃん(猫)と、私(武井怜)の日常の、漫画と文章です。
ちょっと気になる「ご近所さんの生活」を、我が家のでよかったら、見てもらえたら嬉しいなと思います。

 

【第51話】
『ボタンと祈りの話』

この前、私は、我が家の電子レンジが壊れた話を書きました。その電子レンジが壊れる前、しばらくの間、オーブンを使うときに押すボタンが、なかなか効かなくて、おっかが、お菓子作りでオーブンを使うたびに、ボタンついてっ、と祈りながら、そのボタンを押していました。そのボタンが効かないと、お菓子を食べられないので、私も、ボタンついてっ、と祈っていました。それと私は、ときどき、本当の題名は書きませんが、おっかがこどもの頃にやっていた、『奥さまはまじ』という、アメリカの魔女のドラマで、主人公が魔法をかけるときにやっていた、口元を動かす動作を、祈るおっかのうしろでまねして、私がかけた魔法で、オーブンのボタンが動かないかな、と思っていました。だけど、私がかけたのか、かけられなかったのかわからない魔法は、一度も効きませんでした。

今、私が使っているコンピューターが、ぼろぼろで、電源ボタンが、簡単に効きません。電源ボタンは、外れそうになっています。だから私は、グラグラした電源ボタンを、つまようじで押します。それで、コンピューターの光るところの色が変わると、電源がついたサインです。だけど、光るところの色が変わらないで、電源が、なかなか入らないときがあります。コンピューターの電源が入らないと、コンピューターでやろうとしていることが、ひとつもできません。私は、コンピューターの電源が、入ってくれないと、ものすごく困るな、と思います。だから私は、このときも、電子レンジのときみたいに、電源ついてっ、と祈ります。電子レンジのときよりも、もっと、ボタンが効かないと困るので、私は、コンピューターの電源ボタンには、電子レンジのときよりも強く、電源ついてっ、と祈っています。実は私は、新しいコンピューターを、通販で、もう買ってあります。だけど、そのコンピューターの使い方がわからないのと、そのコンピューターの充電器を買っていなくて、とりあえずまだ、ボロボロのコンピューターの電源ボタンを、つまようじで押しながら、祈る日々が続くなと思います。

 

<ご近所さんの生活>エッセイ漫画
前のお話はこちら

 

武井 怜

1988年生まれ。現在、両親と猫と千葉県市川市在住。動物、お笑い、海外のコメディ、甘いもの、お相撲などが好き。コミックエッセイ『気にしすぎガール~この世のあらゆる物事に気を遣いすぎる女の日常~』(KADOKAWA)発売中。

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