市川市で暮らす、パパ(父)と、おっか(母)と、ごはちゃん(猫)と、私(武井怜)の日常の、漫画と文章です。
ちょっと気になる「ご近所さんの生活」を、我が家のでよかったら、見てもらえたら嬉しいなと思います。
【第48話】
『ここだけおいしいですの話』
これは、梨屋さんの稼ぎどきのときのお話です。おっかと私は、昨年と同じように、お姉ちゃん家族と、私の友達に、梨を贈るために、昨年と同じ、腰が低くて、親切な梨屋さんご夫婦のところの梨屋さんにでかけました。全然関係ない話なのですが、昨年、腰が低くて、親切な梨屋さんご夫婦のところの梨屋さんに行った日、私は、出かける数時間前に、おっかと、海外のミステリードラマを見ていたら、突然、吐きそうになるほど、体調が悪くなりました。たぶん、その日の朝ご飯に食べた、あまり火の通っていない、ぷるんぷるんの卵が、だめだったんだなと、そのとき思いました。それより前も、私は、卵で吐いたことがあったからです。そのときの卵は、ぷるんぷるんしていたかどうかは忘れました。だけど、私はもしかしたら、ぷるんぷるんの卵が、だめなのかもしれないなと思います。私が話したかった全然関係ない話は、この話ではありません。だけど、話を、腰が低くて、親切な梨屋さんご夫婦のところの梨屋さんにでかけた話に戻します。おっかと私は、腰が低くて、親切な梨屋さんご夫婦のところの梨屋さんに着きました。昨年の、腰が低くて、親切な梨屋さんご夫婦の、息子さんだと思うかたが、接客をしてくれました。それで、まずは、お姉ちゃん家族と、私の友達に贈る用の梨を選びました。そのあと、昨年と同じように、おっかと私は、我が家用にも、梨を買おうと、梨を選んでいました。それで、おっかと私が気になった、下の方にあった箱に入っている梨を、腰が低くて、親切な梨屋さんご夫婦の息子さんは、自信がなさそうに、梨の一部分を指さして、ここだけおいしいです、と言いました。おっかと私は、腰が低くて、親切な梨屋さんご夫婦の息子さんが、あまりに素直で正直なので、申し訳ないことに、笑ってしまいました。そして私は、腰が低くて、親切な梨屋さんご夫婦の息子さんも、やっぱり腰が低くて、親切な梨屋さんなんだな、と思いました。そして、腰が低くて、親切な梨屋さんの息子さんは、「ここだけおいしい梨」を、無料でくださいました。「ここだけおいしい梨」は、全部の部分が、おいしかったです。他に、買わせてもらった梨も、甘くて、みずみずしくて、とってもおいしかったです。友達も、とってもよろこんで食べてくれたみたいです。「腰が低くて、親切な梨屋さん」とたくさん書いていると、頭の中で、「梨が低くて、親切な腰屋さん」という言葉が浮かんできます。
<ご近所さんの生活>エッセイ漫画
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武井 怜
1988年生まれ。現在、両親と猫と千葉県市川市在住。動物、お笑い、海外のコメディ、甘いもの、お相撲などが好き。コミックエッセイ『気にしすぎガール~この世のあらゆる物事に気を遣いすぎる女の日常~』(KADOKAWA)発売中。