市川市で暮らす、パパ(父)と、おっか(母)と、ごはちゃん(猫)と、私(武井怜)の日常の、漫画と文章です。
ちょっと気になる「ご近所さんの生活」を、我が家のでよかったら、見てもらえたら嬉しいなと思います。
【第41話】
『電子レンジが壊れた話1』
この前、夕ご飯を作っているときに、私は、電子レンジで、野菜を温めていました。そうしたら、いつも、電子レンジが動いているときに聞こえる、「ウィーン」みたいな音が、突然、プツッと切れました。それを合図に、我が家の電子レンジは、壊れてしまいました。
その電子レンジには、オーブンの機能もついていました。だから今、我が家には、オーブンも、電子レンジもありません。だけど、これまでずっと、家に電子レンジがあったから、その生活が当たり前になっています。だから私は、たとえば、スーパーマーケットで買ってきた食べものを、つい、家で温められると思っていて、あ、そういえば、家には今、電子レンジがないんだった、というようなことをしそうだなと思います。
というか、しました。昨日、スーパーマーケットで、おっかと、白いとうもろこしをみつけて、白いとうもろこしは甘いらしいから、半分こして食べようと言って、おっかが、白いとうもろこしを、1本買ってくれました。だけど、おっかも私も、そのときは、白いとうもろこしを、電子レンジで熱を入れて食べようと思っていました。それで、家に帰ってから、電子レンジが壊れていることを思い出して、白いとうもろこしを、茹でて食べることにしました。そうやって、「茹で」でも大丈夫な食べものだったり、スーパーマーケットで買ったお惣菜を温められないくらいなら、まあいいのですが、電子レンジしか許さない商品を買ったりしてしまったら困るなあ、と思います。だけど、書きながら、電子レンジしか許さない商品って、意外と、あんまり多くない気がしてきて、安心してきました。
壊れた電子レンジは、画面の中に、踊るコックさんや、卵や、ひよこや、にわとりが登場したり、温め終わったときの合図も、「チン」じゃなくて、軽やかな音楽が流れる、かわいい電子レンジでした。憎たらしいな、と思うことも、何度もあったけれど、私は、その電子レンジが壊れてしまって、少し、さみしいなと思います。そのうち、その電子レンジが、家からなくなる日がくると思うので、そのときは、もっとさみしくなるだろうなと思います。
<ご近所さんの生活>エッセイ漫画
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武井 怜
1988年生まれ。現在、両親と猫と千葉県市川市在住。動物、お笑い、海外のコメディ、甘いもの、お相撲などが好き。コミックエッセイ『気にしすぎガール~この世のあらゆる物事に気を遣いすぎる女の日常~』(KADOKAWA)発売中。