公開日: 2025年8月12日

<ご近所さんの生活 第40話 武井 怜>エッセイ漫画 【毎週更新】

baychibainfo
  • シェア
  • twitter

市川市で暮らす、パパ(父)と、おっか(母)と、ごはちゃん(猫)と、私(武井怜)の日常の、漫画と文章です。
ちょっと気になる「ご近所さんの生活」を、我が家のでよかったら、見てもらえたら嬉しいなと思います。

 

【第40話】
『洗濯機で走るおっかの話』

昨日の午前中、おっかが、ごはちゃんのお薬を、ごはちゃんのかかりつけの動物病院まで、自転車に乗って、買いに行ってくれました。おっかが、家に帰ってきて少し経ってから、私に、「さっき、洗濯機…」と言いました。そして、そのあとすぐに、「洗濯機じゃないや」と言って、おっかは、ひとりで笑いました。私は、なんだろう?と思いました。そうしたら、おっかは、「さっき、自転車で走ってて…」と、言い直しました。それを聞いて私は、おっかは今、「さっき、自転車で走ってて…」と言おうとしたのに、間違えて、「さっき、洗濯機で走ってて…」と、言い間違えそうになったんだな、と思いました。そうしたら、洗濯機で走っているおっかの姿が、私の頭のなかに浮かんできて、今度は私が、おもしろくなって笑いました。私は、そのあと、外でひとりで歩いているときにも、また、「さっき、洗濯機で走ってて…」のことを思い出して、おもしろくなって、笑いました。だけど、このお話を書いている今日は、「さっき、洗濯機で走ってて…」のことを思い浮かべても、あまりおもしろくなりません。私は、昨日は、「さっき、洗濯機で走ってて…」が、外で、ひとりでいるときにまで笑ってしまうほど、おもしろかったのに、どうして今日は、おもしろくないんだろうな、と不思議だなと思います。それに、昨日はおもしろかったことが、今日は、おもしろくならないと、笑えないと、少し、損をしたような気持ちだな、と思います。それと昨日、私は、「さっき、洗濯機で走ってて…」のことがおもしろくて、そのことで頭がいっぱいになっていました。だから、おっかが、「さっき、自転車で走ってて…」と言い直したあとに、どんなことを話していたのか、肝心の、おっかの話したかったことを、さっぱり覚えていないことに、この文章を書きながら気づきました。

 

<ご近所さんの生活>エッセイ漫画
前のお話はこちら

 

武井 怜

1988年生まれ。現在、両親と猫と千葉県市川市在住。動物、お笑い、海外のコメディ、甘いもの、お相撲などが好き。コミックエッセイ『気にしすぎガール~この世のあらゆる物事に気を遣いすぎる女の日常~』(KADOKAWA)発売中。

  • シェア
  • twitter

月別アーカイブ